スカイマークの機内誌「空の足跡」に毎月連載中の旅エッセイ「ユウキが行く。」
9月のテーマは「自然」でした。
僕は、「空を見ていたいと思った」というタイトルで、アメリカのモニュメントバレーで見た夜空と夜明けの空について書きました。

昼と夜

本当に、夕暮れと夜明けの空ほど、心震わせる景色はありません。
昼と夜という、実は劇的に異なる環境が毎日繰り返されていること自体、あらためて考えてみればすごいこと。
地球の環境は、生命の誕生以来大きく変化してきました。
でも、昼と夜があることは、(極地を除いて)ずっと変わらない自然環境。
そして、地球上の生命の多くは、この昼と夜がある環境に適応して生き延びてきたDNAの成果です。

とりわけ人類は、この環境の中で、豊かな感情と知性を育んできたはず。
光の恵みと闇の恐怖。
その二つの世界のハザマにある、夜明けと夕暮れのマジックアワー。
人類は、それらに、きっと特別な何かを感じてきたに違いありません。

夜明けと夕暮れを見よう

そんな、空を、毎日眺め、全身で感じる。それは、人間にとって、本来はごく自然なこと。
そして、それが人間の心身に及ぼす効果も、きっと大きなものがあるに違いない。そんな気がします。

空が狭い都会の生活が、実は、そんなところからも人の精神を歪めているのかもしれません。
都会に限らず、建物の中で仕事をしているうちに、いつの間にか夕暮れが過ぎてしまう毎日。
夜更かしして、朝ゆっくり寝ているうちに夜明けが終わっている毎日。
僕も、ついついそんな日常になりがちです。しかし、それはなんだかとてももったいないことのように思えてきました。