フォトグラファー游木トオルとして、イベント撮影の面白さがどこにあるかを再認識したのは、先日、Resonance Voice〜声と響きの探究ラボ”たんちゃん”こと丹澤寛さんが主催する「声×瞑想のワークショップ」のイベント撮影をさせていただいたときでした。
たんちゃんは長年某大手メーカーに勤務していましたが、約5年前、50歳で魂の声に従ってサラリーマンを卒業し、その後スペイン巡礼の旅に3回も行くなど、好きなことだけをする軽やかな生き方を実践している自由人。
そんなたんちゃんの声のワークショップは一般的なボイストレーニングとはまったく違い、退職前から続けていた合気道の身体性や瞑想の精神性を融合させたオリジナルのメソッドです。
僕自身も以前このワークを受けたことがあるのですが、僕が感じたその特徴は、とにかく身体を緩ませるところから、声を響かせ、自分とつながり、宇宙とつながる、とても本質的なワークであること。
「声」はあらゆる存在と一つにつながるバイパスのようなもの、「声」は心や身体の健康状態をわかりやすく示すバロメーター、「声」は自分自身への癒し、そして「声」はそれ自体が生きている喜びの表現。。。そんな「声」の無限の可能性に気づかされます。
今回は撮影ということで、半分客観的に見ていたわけですが、参加者の皆さんも、ワークが進むにつれて、身に纏っていた余計なものを解き放ち、クリアな感覚が広がり、生命力の輝きが増して行くように見えました。
僕もその場の同じ波動を感じ、その空気感と一つになり、できるだけそこに生まれた感覚的なものを撮影するように心がけました。
そのためか、参加者の皆さんが緩んで眠くなる時には、皆さん以上に眠くなってしまい、実際寝落ちしかける瞬間もありましたが、おかげで僕も心が軽くなり、声の響きが蘇り、最後には、声を出すのが気持ち良くて仕方ないという、このワークショップ特有の幸せな状態になることができました。
イベント撮影は、ポートレート撮影と違って、相手の人と対話できない場面が多いのですが、それでもできるだけオープンなコミュニケーションをとるとともに、自分もイベントに入り込み、撮影者であることを忘れるくらいその場と一つになることで、そこにあるエネルギーを感じたときに、その場の空気感をも写しとるような感覚になることを、あらためて気づかされました。
それこそが僕が感じるイベント撮影の面白さですので、これからもそういうイベントにたくさん出会えることを楽しみにしています。
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