感覚を開く
スカイマークの機内誌「空の足跡」に、毎月、「ユウキが行く。」という旅エッセイを書いています。
2024年1月号でスカイマーク社から出されたテーマは「聖地巡礼」。
僕のエッセイのタイトルは「感覚を開く」。
かつて、忙しく働き続けていた当時、僕の感覚は、あまり開いていなかったと思います。
思考に偏っていたし、心からリラックスすることもなかったから。
例えば同じ美しい景色を見ても、どれだけ深く、繊細にその美しさを感じ取ることができるかは人それぞれ。
同じ人でも、その時の精神状態によって大きく違ってくるものです。
そして、幸福度について言えば、受け取るものが多く、感動も大きい方が、幸福度が高まります。
感覚が開くことによって、ネガティヴな感覚も鋭敏になってしまうところはあります。
しかし、それに対処する術を身につけたり、物事の捉え方を変えたりすることで、なんとなるもの。
感覚の開き方
では、どうすれば感覚が開くのか。
僕の経験に限って言えば、まずは、思考をできるだけ減らすこと。
それだけで、眠っていた感覚が目を覚まし始めます。
次に、時間に追われる忙しさから離れ、のんびりリラックスすること。
そして、心が揺さぶられるような場面にたくさん巡り合うこと。
巡り合ったなら、何もかも忘れて、そのゆらめきの中に身を委ねること。
特に「〜すべき」という束縛を手放すこと。
その絶好の機会が、放浪の旅です。
特に、僕の場合、美しく壮大な自然の営みが、最も心を揺さぶり、感覚を呼び覚ましてくれるものでした。
有名観光地を訪れるにしても、旅行記やガイドブックの案内に従って、その旅程をなぞるだけなんてもったいない。
世界で初めてその場所を訪れたような気持ちになって、その場に立たなければ感じられない感覚に身を委ねたいです。
感覚が広がるということは、幸せを感じる能力が高まるということでもあります。
それによって、Doing(何を成すか)よりBeing(どう在るか)が大切ということを、実感として感じられるでしょう。