去年のことですが、熊野市のお盆行事を撮影させていただいたことがありました

あれからもうすぐ一年が経とうという、、、時の流れの速さに茫然としてしまいます

ご依頼は熊野市観光協会に勤める友人から

その友人は、「コロナの影響で花火大会などの恒例行事が中止となり、人の動きも少なくなった今だからこそ、逆に古から繋がる伝統行事が本来の姿が現れるのではないか?それを記録に残すまたとないチャンスなのではないか?そしてその画像や映像は、故郷への帰省を見送った人々への特別なギフトになるのではないか?」という、深く、力強い想いを抱き、僕もその想いに誘われて、熊野へ出かけました

行事の撮影に先立ち、丹倉神社大森神社などとっておきの聖地・聖域を案内していただくとともに、その土地に埋もれた歴史の真実をレクチャーしていただき、僕の心と身体が、神々と生きる熊野の土地と森と水に、自然と溶け込んでいきました

お盆行事は、集落ごとに、その年亡くなった方々の霊を慰め、穏やかにあの世へお送りする神聖なもの

お墓への道沿いに蝋燭を灯すひとぼし、太平洋の海へと御霊を流す灯籠流し、天へのお見送りとなる追善花火灯籠焼き
それぞれ別れの切なさに包まれながらも、儚い美しさと、どこか心温まる人々の想いが、静かに流れていく不思議な時空間でした

「死」を「邪・悪・忌」としてどこかに押し込め、見えないように蓋をしてしまった現代ですが、「死」は当たり前にそこにあり、本当は僕たちの生はすべて、いつも「死」とともにあるのだと、体感として心に置いておくことの大切さに、今更ながら気づかされた貴重な時間でした

撮影というご縁を通して、このような体験をすることができたことには、いくら感謝してもし足りません

今年もまたお盆の時期がやってきますが、昔から伝わる行事には、その中に秘められた魔法の力があることに想いをはせ、霊魂との対話を試みてみようと思っています

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